忘備録

2018年4月15日、渋谷すばるジャニーズ事務所を退所すると発表された。

 

気持ちの整理をつけたいのか、私が感じたことを残したいのかはまだ分からないけど、
すばるくんについての色々を書きたい。

渋谷すばるくん、その美しい名前の通り私の毎日をキラキラで満ち溢れたものにしてくれた人。

私が初めてすばるくんを意識したのは、ジャニ勉だったと思う。たまたまテレビのチャンネルを回していたときに目にした。その時のすばるくんはまだロン毛でハットをかぶっていた気がする。

なぜか私は当時読んでいた弱虫ペダルの東堂くんを思い出してこの人東堂くんに似ているなとぼんやりとした感想を抱いた。(エイトを好きになった後、若いころのすばるくんの写真を見ると、弱虫ペダルの舞台で東堂くんを演じていた玉城裕規くんに雰囲気が似ていたので納得した。)

あの頃は、関ジャニ∞にそれ以上の感情を抱くことはなく、夜更かしに出ている村上くんのことしか知らなかった。

2回目にすばるくんを意識したとき、彼は坊主になっていた。ジャニーズなのに坊主で髭の人がいるんだ、かっこいいな~と驚いたことを覚えてる。そしてこの人が渋谷すばるという名前だと知った。星の名前がよく似合う人だと思った。

その後、時間を置かず味園ユニバース事件を目撃する。スポットライトに照らされてピカピカの衣装を着て踊るジャニーズという世界の中で、モッズコートのフードを深く被り、口を固く結んでたたずむ彼にとてつもない自己主張を感じた。私は昔から、長いものには巻かれその場が丸く収まればそれでいい、と周りに流されてばかりの人生を歩んできたので、彼のアナーキーさに強く惹かれた。

この頃は、仕事や家のことでバタバタしていたり、他のジャンルを応援していたこともあって関ジャニ∞にハマるのは少し先のことになる。

本格的にエイトが気になり出したのは、ジャニ勉のひき肉ダンス回。仕事で疲れ果てて帰ってきて、テレビの向こうで彼らがひき肉ダンスを踊る姿にめちゃめちゃ笑った。笑い疲れてなんだかほっとして、楽しい気分のまま眠ることができた。ジャニ勉ってこんなに面白かったんだ、来週も見よう。気付いた時にはジャニ勉を毎週録画に設定していた。

少しずつサブリミナル効果のように私の脳内に関ジャニ∞は刷り込まれていったが決定的に落ちたのはいきなりドッジだ。友人に勧められて軽い気持ちで見てみると、はちゃめちゃに面白かった。ひき肉ダンスが最高だったせいでハードルが上がってるよなんて言ってたのに余裕で越えていった。オラついたりょうちゃん、ゲスな大倉くん、時折闇をみせるまるちゃん…とにかく全員キャラが立っていて、久しぶりに腹筋が攣るほど爆笑した。

バラエティでの彼らにどんどん惹かれていった私が歌う彼らを見てみたいと思うまでに時間はかからない。そこからは転がり落ちるように関ジャニ∞漬けの毎日を送り、CDを集めDVDを見まくり、光の速さでファンクラブに入会して、コンサートにも行った。

初めて生で見る彼らはとにかく輝いていて、キラキラの宝石みたいに歌って踊ったかと思えば、鈍く光る刃のようにギラギラと演奏する姿に胸の奥をぐっとつかまれた。

すばるくんがスーッと目の前を横切ったときはその細さにとても驚いた。ステージの上ではあんなに大きく見えるのに、こんな薄い体のどこから声が出ているんだろう。美しくて強い野生動物みたいだと思った。

すばるくん以外のメンバーも覚えて、みんなのことが大好きになった。かっこいいこともかっこ悪いこともいつだって全力で挑む彼らに夢中になった。

村上君がすばるくんを王将と例えていたこともあり、みんな世界がひっくり返るくらい魅力的だけどエイトはすばるくんを中心に回っていたと思う。エイトという国があり、すばるくんという神様をみんなで大切に大切に守ってきたように見えたし、すばるくんもみんなへ対する愛に溢れていた。

だから木曜日にフライデーの噂がTLに溢れたときは、質の悪いガセネタだと思った。
バラエティでは率先して下ネタをぶち込み、ジャニーズの中で一番規制音を被せられているであろう彼のどこを見ているんだろう。こんな事実を捻じ曲げた記事を書いてお金が貰えるなんて随分高尚なお仕事ですねと皮肉をいう余裕だってあった。

その後脱退の話は、収束することなくただの噂話から少しずつ輪郭が浮き彫りになり、私はTLを追いながら自分の指先がどんどん冷えてくるのを感じていた。

私の住む地域では日曜日の朝にクロニクルが数週遅れで放送される。皮肉なことにこの日の放送は、さまぁ~ずがゲストのいきなりドッチの後編だった。テレビでは三村さんがすばるくんをホリプロに欲しいと言い、すばるくんが二つ返事で承諾して、村上君がほなみんなで行こう!と言って笑いを誘っていたけど全く笑えない。
私はクロニクルを見ながら、大丈夫、大丈夫と自分に言い聞かせていた。

引き続きTLを追うとファンクラブから大切なお知らせという件名のメールが届いているらしい。遅延しているのか私にはなかなか届かなくて、震える指で何度も送受信を行い、やっと届いたのが11時の少し前。そこには11時発表を行うという内容が書かれていた。

少し遅れてファンクラブサイトへアクセスすると、そこには退所する旨が書かれたすばるくんとメンバーのコメントがあって、心の奥底にあったもしかしてという予感は当たってしまった。

正直なところ、もし退所が現実になったら関ジャニ∞に関する持ち物をすべて手放して彼らのことを忘れてしまおうと考えていたが、いざ現実を目の当たりにしてみると、頭が真っ白になって何も考えられなかった。

テレビを見たすばるくんは、目は真っ赤だしひどいクマはできているし絶対夕べ眠れなかったでしょって顔をしていた。だけどまっすぐに前を向いていて、光を受けた瞳はとてもキレイだった 。

記者会見を見て、すばるくんがみんなにどれだけ愛されていたかを改めて思い知った。
退所の記者会見というマイナスなイメージが付きまとう現場で、こんなにもメンバーの絆を見せつけられるとは思わなかったよ。

涙をこらえながら今日という日が来なければ良かったと語るよこちゃん、どうしていいかわからず微笑みながら、好きすぎて何も言えなかったってはにかむまるちゃん、すばるくんのこと嫌いになれなかったったっていう一言にすべてが詰まっている大倉くん、すばるくんに「どうや」って言えるような僕らでいたいとまっすぐ語るりょうちゃん、幼馴染として背中を押すと言い切った村上くん、すばるくんだから奏でられる音楽があるとコメントを送ったやすくん。(背中は大丈夫ですか…)

みんなすばるくんのことが大好きで大切で、愛に満ち溢れた会見だった。全てが関ジャニ∞らしくて不器用だけどまっすぐ芯が通っている、私が好きになった関ジャニ∞だった。

頭では理解している。メンバーが何度も話し合ってくれたこと、すばるくんのことを全力で止めてくれたこと、それでもすばるくんの決意は揺らがなかったこと。バラエティではひたすらアホなことをやっている子供みたいに笑っている彼らが、本当はめちゃめちゃ大人で筋が通っていて、現状一番誠実な形で報告をしてくれたこと。私たちファンに対して真摯に向き合ってくれたということ。
もう充分過ぎるくらい貰っているのだ。

本当は駄々こねて嫌だ!嫌だ!って泣いて叫びたいけどこんなにかっこいいことされたら何も言えないじゃん。

私はすばるくんに何処でだって何だっていいから自由にのびのびと歌っていて欲しいと思うし、エイトに関しては、よこちゃん、村上くん、まるちゃん、やすくん、りょうちゃん、大倉くんと最高の曲者たちが揃っているので、絶対に面白くならない訳がない。また違ったアプローチで最高のエンターテイメントを魅せつけてくれると信じている。

忘れてしまおうなんて思っていたくせに、今は、胸につかえたような痛みや、言葉に書き表わせない感情がいつしか薄れていくのがどうしようもなく寂しくて怖い。

私は熱しやすく冷めやすく物事に執着できない人間で、アイドルだったりバンドだったり、その時々でハマるものだって、それに縋っていないと生きていけないからだ。
要領が悪くて、生きるのが下手くそな私が、もう少し、もう少しと生活を続けられるためにあるもの。縋る対象は何だって良くて、たまたま今の自分が生きていくための理由のがエイトだっただけだ。薄情な私はいつかか他のアイドルのことを好きになるだろうし、すばるくんのことだって、エイトのことだって忘れちゃうかもしれない。

でもこの2年間を生き抜いてこれたのは、確実に7人のお陰だ。レギュラー番組がある、リリースがある、歌番組がある、憂鬱な毎日がエイトのおかげで楽しくなった。テレビをつければ、すばるくんがエッジの効いたボケをかまして、胸の奥が熱くなるような歌声を届けてくれたし、ライブが決まれば、何ヶ月も前からワクワクドキドキできた。

36歳のすばるくんが積み上げたものを手放してまた一から始めるっていうなら、私もまだ頑張って生きていたいな。やりたいことや目標なんてどこにもないけど、それを見つけにいくのもいいかも知れない。いつか開催されるであろうすばるくんのライブに胸を張って行けるように。

今日は宇宙に行ったライオン(メトロックver.)を聴きながら出勤した。空は晴れ渡っていてとても気持ちのいい朝で、伸びやかなすばるくんの歌声が何処までも連れて行ってくれそうな気がしてこれが答えなんだろうなと思って涙ぐんだ。
いつか私たちの前に帰ってきた彼は、日本だって海外だって、何処までも私たちを連れて行ってくれるんだろう。

完全に咀嚼できたかといえば違う。大きな岩を口に突っ込まれて必死に舐めているような気分で、まだ夢なんじゃないかと思うし、どこかのパラレルワールドを俯瞰でのぞいているような気持ちになることもある。
ふと、これが現実だと気づいたときにすごく胸が痛むんだけど、いつかソロで活躍するすばるくんに慣れて、6人で活躍するエイトに慣れる時が訪れるなら、今はこの痛みさえも愛しい気がする。